菅野智之の年俸問題が発生?メジャー移籍を断念で巨人残留が決定!
今回はポスティングシステムを使ったメジャーリーグへの移籍を検討していた巨人の菅野智之についてです。結局、期限となる2021年1月8日までにメジャー球団と契約合意には至らず、2020年シーズンオフでのメジャー移籍は叶いませんでした。
菅野智之は来年度、FA権を取得することが確実なため、ポスティングではなく正面突破によるFA権行使でメジャー挑戦することが可能になります。恐らく、巨人との契約は2021年にメジャー挑戦できるような単年での契約か、複数年契約だとしても途中解約できるようなオプションを付けての契約になるのかもしれませんね。いずれにせよ、叔父であり監督でもある原辰徳監督は安堵したことと思います。
逆に安堵だけではなく、複雑な心境なのは巨人の球団関係者ではないでしょうか。菅野智之の残留により新たに発生したのは年俸問題です。2020年の菅野智之の年俸は、日本球界、日本人史上最高額タイの推定6億5,000万円です。
しかも、2020年シーズンの菅野智之の成績は、14勝2敗、防御率1.97と好成績を収めているばかりか、最多勝と最高勝率の2つのタイトルならびにベストナイン、ゴールデングラブ賞も獲得しています。さらに巨人はリーグ優勝も果たしているため、日本人史上最高年俸額を更新することが確実でしょう。菅野智之の2021年の年俸額は、最低でも7億5,000万円以上で下手すれば10億円という噂まで出ています。
2020年の巨人チーム全体での総年俸額は約36億円でした。仮に菅野智之に10億円の年俸をあげたとしたら、それだけで全体の27%、約3割の金額を充当することになります。しかも、巨人はリーグ優勝を果たしているために、他の選手の年俸も上げなければならないでしょうし、2020年シーズンオフには、横浜DeNAベイスターズから梶谷隆幸外野手と井納翔一投手のFA移籍による加入が決定しています。
さらには、外国人枠としてジャスティン・スモーク内野手、エリック・テームズ内野手の獲得も決まっているなど補強の財源も確保しておかなければなりません。
2020年でさえ、巨人はセリーグの中でダントツ1位の総年俸額でしたが、間違いなく2021年も総年俸額でダントツの1位になることでしょう。球団経営として厳しいのは、コロナウイルスの影響によりシーズン当初は無観客での試合、途中からも入場者数を制限してのシーズンであったため大幅な減収に見舞われたことです。
それに加えて、菅野智之の残留というのは、戦力的には万々歳でも収支面から見たら頭を抱えてしまっていると思います。なぜなら本来は菅野智之がメジャーに移籍して、アメリカの球団から移籍金10億円近くを当てにしていたと思うからです。この菅野の移籍金を使って菅野の抜けた穴を埋めるための補強コストに充当しようとしていたはずです。
しかし、10億円の収入どころか、むしと10億円の出費、さらには補強費用で追加の10億円、、、単純に考えると最悪の場合は当初よりも約2倍のコストが発生することになるため、収支は大変になると思われます。しかし、こうなった以上は菅野智之に前年以上の年俸を払わなければならないでしょうから、巨人が菅野智之に年俸をいくら支払うのか契約更改が非常に楽しみです。
菅野智之の年俸と田中将大の年俸、メジャー移籍から考えると球団にとっては、メジャー挑戦してもらった方が良い場合もある?
今回の菅野智之のメジャー移籍の一連の流れを見ていて思ったのは、時として球団によってはすんなりメジャーリーグに移籍してもらった方が良いケースもあるんだなということです。
例えば、今回の菅野智之のケースと似ていたなと思い返したのが、2014年に東北楽天ゴールデンイーグルスからニューヨーク・ヤンキースに移籍した田中将大です。
2013年シーズンには24勝0敗1セーブというとんでもない成績を残し、パリーグ優勝、日本一にも輝いた一番の立役者です。もし仮に、田中将大が2014年にメジャーリーグに行かず、そのまま楽天イーグルスに残留した場合の年収はどうなっていたでしょうか。
2013年時点で田中将大の年俸は推定4億円でしたので、下手すれば8億円などとんでもない上げ幅での年俸になっていたことと思います。球団の金銭面だけを考えれば、田中将大に残留されていたら間違いなく財政が圧迫されていたことでしょう。
そう考えると、楽天としては2014年にヤンキースに移籍してもらったことは良かったはずです。高額の年俸を支払うことが回避できただけでなく、ヤンキースからの移籍金という臨時収入も入ったばかりか、前年は優勝で観客入場者数の好調による増収効果もあったでしょうから、相当儲かった年になったのだと思います。
今回の菅野智之のメジャー挑戦に関わる巨人と比較してみると一目瞭然ですが、球団経営だけを考えた場合には、時として選手にメジャー移籍にしてもらうことの方が「吉」と出る場合もあるのかもしれませんね。
菅野智之のメジャーリーグ移籍断念、巨人残留から2021年シーズンの巨人の先発ローテーションを予想
今回は球団側の視点に立って金銭面でのネガティブインパクトについてお話ししてきましたが、もちろん戦力面では超ポジティブインパクトになったわけですから、日本プロ野球での楽しみは1つ増えました。またこれで巨人のセリーグ優勝、セリーグ独走態勢にグッと大きく近づいたとうに思います。
2021年シーズンの巨人の先発ローテーションを考えてみたいと思います。まず開幕からの先発ローテーションは故障やトラブルさえなければ、この5人を中心に回していくと思われます。
・菅野智之
・戸郷翔征
・サンチェス
・メルセデス
・井納翔一
井納翔一はシーズン中盤以降からはどの役割で投げるか分かりませんが、FAで獲得した以上まず開幕からは先発の柱として原監督は使ってくると思います。
残りの1枠を狙うは、下記4人の中堅投手でしょうか。特に田口麗斗にはそろそろ覚醒して、安定して2桁勝利を収められるような投手になってもらいたいですね。井納翔一や上記投手の不調が続くようであれば、この中の4人の誰かがローテーションに入ってくることでしょう。
・畠世周
・今村信貴
・田口麗斗
・桜井俊貴
もう一人可能性として考えられるのは、2020年ドラフト1位で入団した亜細亜大学の平内龍太投手です。即戦力として1軍に通用しそうな能力を持つ投手ですが、難点は学生時代に肘の手術を行っているため、シーズン頭からフル稼働では使えないのではないかという点です。恐らく原監督も夏ぐらいからゆっくり使い始めるか、登板間隔をしっかり空けて起用してくるのではないかと思います。
平内龍太投手の記事はこちら。
いずれにせよ、菅野智之が残留することによって先発投手陣の層の厚さが保たれることになりました。これでまた巨人軍は、2021年シーズンのリーグ優勝に向けた盤石な体制が整いましたね。極端な独走でリーグ戦がつまらなくならない程度に、頑張っていただきたいですね笑。2021年のシーズン開幕を心待ちにしています!
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