FA移籍2020年の予想と選手一覧

FA移籍2020年の予想と選手一覧

2020年の日本シリーズが終了し、今年のプロ野球シーズンが幕を閉じました。次なる話題はオフシーズンの移籍情報です。

今シーズンの国内FA権保有選手は合計38名、うち今季取得者は21名になります。海外FA権保有選手は59名、うち今季取得者は16名です。

 

FA移籍とは?

まず、国内FAとは、NPBが定める国内FA資格条件を満たし、この組織のいずれの球団とも選手契約を締結する権利を有する選手をいい、海外FAとは、NPBが定めるFA資格条件を満たし、外国のいかなるプロフェッショナル野球組織の球団をも含め、国内外のいずれの球団とも選手契約を締結する権利を有する選手をいう。

→難しく書いていますが、簡単に言えば、FA権を行使して、他の球団へ移籍することができる制度と捉えてもらえばよいと思います。

制度上、FA権を取得する選手の年齢が上がってしまうのは致し方ないところではありますが、30歳台前半~中盤であれば、まだまだ活躍できる選手もたくさんいるため、来シーズンに向けたチーム戦力の補強としては、欠かせない制度です。

特に、下位に低迷するチームにとっては非常に重要な制度であります。しかし、如何せん下位にいるチームは資金力が乏しかったり、選手からの人気度が低かったりと相反関係にあるためFA移籍で選手を獲得するには少し不利かもしれませんね。

逆にポジティブな要素としては、上位強豪チームの控え選手として出場機会に飢えている選手にとっては、下位チームが魅力的に見えるかもしれません。昨年2019年シーズンオフにソフトバンクからロッテに移籍した福田秀平選手などは、その典型例ではないでしょうか。ソフトバンクという強力かつ膨大な戦力を抱える球団では、控え選手として守備固めや代打、もしくは主力選手が故障した時の代替要員として扱われてしまうため、必然的に出場試合数が減ってしまいます。

ソフトバンクのような金満球団では、それでも高い年俸が支払われる選手もいますが、やはり一野球人、プレーヤーとしては、試合に出場して活躍したい気持ちが上回ってくるのが普通ですよね。


長谷川勇也(35歳)ソフトバンクの成績と年俸。移籍による人的補償はなし。

そんなソフトバンクの中では、長谷川勇也が今シーズンFA権を取得しており、その動向が注目されています。まだ、FA権を行使するか、残留するか明言はされていませんが、今シーズンも出場試合数が少なく、主に代打の切り札として控えに留まっていた長谷川勇也にとっては、出場機会を求めて新天地への移籍を考えているのかもしれません。年俸は8,000万円でCランクに当たるため移籍による人的補償はありません。

2020年シーズン成績は、120試合中29試合のみの出場に留まり、76打数のうち17安打で打率.224でした。

2013年に首位打者と最多安打のタイトルを獲っており、過去のシーズンを振り返っても出場試合数が100試合を越えているシーズンでは3割近い打率を残していましたから、ケガさえなければかなりの成績を残す可能性が高いと思います。ましてや、投手レベルの高いパリーグからセリーグへの移籍になると、さらに活躍の可能性は高いと推察しています。

 

勝手に、長谷川勇也が移籍したらおもしろそうな球団を下記に挙げてみます。

・ヤクルト

セリーグ最下位のヤクルトにとっては、若返りとはなりませんが相当な戦力アップにはなるはずです。しかし、同じソフトバンクの内川獲得を狙っているという報道もあることから、内川、長谷川だったら内川獲得の選択になるでしょうね。

※内川聖一もソフトバンクを退団、移籍が濃厚ですが、以前の記事でアップ済のため今回は記載しておりません。

 

・横浜DeNA

今シーズンオフにロペス、ソト、梶谷が流出する恐れがあるため、野手を厚くしておく必要があると思います。残されたメンバーを見ても、神里、佐野、オースティンと経験が浅めの中堅若手と外国人になることから、実績十分の長谷川勇也は魅力的な補強になると思います。

 

・オリックス

パリーグ最下位のオリックスも、野手がかなり手薄な状態に見えるため、長谷川勇也の出場機会が見込めそうな球団です。オリックスは吉田正尚が孤軍奮闘しているイメージのチームですので、実績ある長谷川勇也がクリーンアップに加わると打線に厚みが出てきます。吉田正尚以外の野手を見ると福田、安達、大城と小粒なイメージが否めません。打率も2割台前半で長打力もそれほど期待できないことから、長谷川勇也の加入は効果絶大なはず。長谷川勇也はシーズン通して試合に出場さえできれば3割、本塁打15本くらいの成績は見込めそうな気がします。

 

投手でのFA移籍予想選手(2020年版)

・小川泰弘(30歳)ヤクルト

小川泰弘は、下位順位に低迷が続いているヤクルトから出たがっているのではないかと思います。2020年の今シーズンでは、10勝8敗という成績でしたがチーム状態がよければもう少し負けの数が勝ち星に回っていたのではないかと思います。例えば、巨人での先発であれば12勝くらいはできていたかもしれませんね。たらればの話ですが。。

年齢もまだ30歳と比較的若いため、各球団からのニーズは高いような気がします。大型契約、高額年俸を含めたオファーも期待できそうです。ただし、気になるのが今シーズンの防御率4.67という数字です。防御率ばかりは誤魔化しがきかない数字です。デビュー当初からの成績を追って見ても、ここ数年は下降気味なのが少し気になります。とは言え、先発投手はどの球団も補強したいポイントであると思うので、今後の動向に注目です。



 

・唐川侑己(31歳)ロッテ

唐川侑己は、かつては中田翔、佐藤良規とともに高校ビック3と言われ、ドラフトでは抽選で競合するほど人気を博した選手です。しかし、なかなか先発投手として大成しきれない日々が続いていました。ところが、今シーズンは中継ぎとして大活躍したシーズンとなりました。32試合に登板し、14ホールド、特筆すべきは防御率が1.19と安定したピッチングで、勝利の方程式の一角としてロッテのリーグ2位に貢献しました。

先発として期待されながらも、二桁勝利を収めたのは2011年のみで、なかなか周囲の期待に沿う活躍ができずに本人ももどかしい思いがあったと思いますが、配置転換により本領発揮されたというところでしょうか。年齢もまだ31歳であるため、中継ぎ投手を補強したい球団のニーズは腐るほどあると思われます。今シーズンの成績を持ってすれば年俸も跳ね上がる可能性がありますね。そして、何より年俸が5,450万円でCランクになるため移籍による人的補償がありません。

成田高校の出身で、千葉の球団に在席しているわけですからロッテファンからすれば切ない気持ちになるかもしれませんが、本人のプロ野球選手としての市場価値を高めるためには、他球団に移籍することも良い選択肢なのではないでしょうか。残留するのか、他球団に移籍するのか今後の動向が楽しみです。



 

・井納翔一(34歳)横浜DeNA

小川泰弘や唐川侑己に比べて、少し年齢が高いですが横浜DeNAの井納翔一投手も他球団からのニーズがある投手ではないでしょうか。先発、中継ぎ、抑え、どの配置でも適応できる能力があり(抑えについては、近年は厳しいかもしれませんが、、)、まだまだ活躍できる能力があるように思われます。

実績、経験ともに十分でありますが、Cランクであるため年俸や人的補償がない点も獲得に乗り出しやすい選手だと思います。投手陣の確保に苦しむヤクルトなどにはもってこいの選手だと思いますが、今後どうなるか動向が楽しみです。
 

FA権を取得しても残留選手するが多くなってきたのが最近の傾向?

上記でFA移籍が見込まれる主な選手をご紹介してきましたが、最近の傾向でいくとFA権を獲得しても自球団にそのまま残留するケースが多く見受けられます。今シーズンも既に中日の大野雄大、ヤクルトの山田哲人、広島の田中広輔、日本ハムの杉谷拳士などが残留を表明しています。

これまでは、年俸が上昇するところや人気球団への移籍が通例でしたが、近年は巨人やソフトバンクなどの金満球団、常勝軍団への移籍だけが全てではないような価値観になっていると思います。

プロ野球界に限らず、一般社会人の中でもミレニアル世代はお金よりもやりたいこと重視という価値観にシフトしていることから、近年のプロ野球選手の価値観も同じように変化してきているのかもしれませんね。今シーズンオフは、移籍市場も盛り上がってきているので各選手の動向が引き続き楽しみです。


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