ソフトバンク甲斐拓也の日本シリーズでの活躍について
2020年シーズンの日本シリーズは、線香花火のようにあっという間に4戦で終わってしまい、コロナウイルスの影響でドタバタしていた2020年のプロ野球シーズンも終了しました。日本シリーズでは、改めてパリーグの強さ、ソフトバンクの強さが際立ちましたが、その中でも一番の功労者だと私が思っているのは、ソフトバンク正捕手の甲斐拓也です。今回はそんな甲斐拓也についてのトピックになります。
ソフトバンク甲斐拓也の中学、高校時代、育成時代からの経歴
甲斐拓也(かい・たくや)1992年11月5日生まれ28歳。大分県大分市の出身。身長170cm、体重84kg。右投げ右打ち。中学時代はリトルシニアを経験、高校は楊志館高校に入学。高校通算本塁打は40本だが、甲子園の出場はなし。2010年の育成ドラフト6位でソフトバンクホークスへ入団。2013年からは支配下登録選手となった。
家族は母と兄がおり、兄は同じく楊志館高校の野球部に所属して活躍していたようです。母子家庭のため母が頑張って働いて兄弟二人を育て上げたということです。以前に甲斐拓也の特集をテレビで見たことがあったのですが、母子家庭で厳しい環境下の中で、しかも自身も育成選手から1軍で活躍するスター選手にまで上り詰めたわけですから、並大抵の努力ではなかったんだろうなぁと強く思います。甲斐拓也は本当に心から尊敬できる選手の1人ですね。
ソフトバンク甲斐拓也捕手の成績と年俸、背番号は?
2020年今シーズンは、104試合に出場し、打率.211、本塁打11、打点33という成績でした。
正直、打撃だけの成績を見ると決して好成績というものではありませんが、やはり捕手というポジション柄、守備での貢献度が高いと思います。
今シーズンの守備成績を見ると、守備率.997、盗塁阻止率.328と好成績でした。残念ながら甲斐キャノンで有名な甲斐ですが、今シーズンは盗塁阻止率1位は楽天の太田光の.333でした。
まぁ、なかなか捕手というポジションは、個人成績の数字だけで見えにくい部分が多くあるのですが、ソフトバンクがパリーグ1位の防御率であることや、そもそもパリーグ制覇を成し遂げていることが、何よりも甲斐拓也の貢献度を表しているのではないでしょうか。それだけ、捕手がチームに与える影響度は高いと思います。
甲斐拓也の年俸は、2020年で推定1億1,000万円です。育成ドラフト6位の選手が億越えプレーヤーになっていること自体が素晴らしいことです。やはり、昨年の活躍で一気に年俸が上昇しましたね。
年俸推移はこちら。4,000万円(2018ねん)→6,500万円(2019年)→1億1,000万円(2020)
今シーズンは、どのくらいあがるのか、打撃成績がイマイチだった分で高い上昇率は見込めないかもしれませんが、リーグ優勝、日本一への貢献度は評価されるのではないでしょうか。
甲斐拓也の背番号推移ですが、甲斐は育成ドラフト出身であるため3軍からスタートしたことで、最初の背番号は130と三桁でした。その後、支配下登録選手になったタイミングで62番をつけていましたが、2020年今シーズンからは19番をつけています。
この19番を捕手としてつけていたのが、甲斐が尊敬するノムさんこと野村克也さんでした。捕手で19番をつけるのは、実に43年ぶりとのこと。
このことからも、甲斐拓也は本当に野村克也さんのことを尊敬していたんですね。本も全部読んでいると言ってましたし、リード面や打者観察、試合展開を先読みすることなど、非常に勉強熱心な捕手です。生前ノムさん自身も甲斐のことは褒めていましたし、個人的にも思い入れがあったのかもしれませんね。きっと同じ背番号をつけてくれて喜んでいられるのかもしれません。
日本シリーズ2020の総括。ソフトバンク優勝は甲斐拓也のおかげ?
そんなノムさんのお言葉を借りるならば、日本シリーズを経験してようやく一人前の捕手になれるということらしいです。やはり、この短期決戦の中には濃密な戦いの要素が詰め込まれているらしく、シリーズ男、逆シリーズ男という言葉があるように、リーグ戦中に活躍した選手でも日本シリーズではめっきりダメダメという選手もいれば、リーグ戦では全く活躍しなかったのに、日本シリーズだけラッキーボーイ的な活躍をする選手も出てきます。これには、捕手のリードが大きく影響しているのだと思います。
2020年の日本シリーズでは、4勝0敗で最短でソフトバンクが日本一に輝きましたが、これには「捕手の差」がソフトバンクと巨人にあったことが影響したのではないかと、個人的には思っています。特に巨人のポイントゲッターである4番の岡本を封じたことが大きかったですね。
ソフトバンクは2017年から4年連続で日本シリーズに出ており、かついずれも日本一に輝いています。時期同じくして、甲斐拓也も2017年の日本シリーズから出場しており、今回が4回目の経験となりました。4年連続4回目の日本シリーズの経験値は相当なものである一方、巨人の大城卓三は今回が初めての日本シリーズでした。この差はあまりにも大きかったと思います。
インタビュー記事で読んだのですが、甲斐拓也は昨年からのシリーズの流れで打者への配球、戦略を考えていたとのことです。これには感心しましたし、巨人の大城がどこまで考えられていたかは不明ですが、甲斐ほどは考えられなかったのではないでしょうか。
巨人は小林誠司がケガの影響でシーズン中もほとんど試合に出場できなかったため、日本シリーズでもベンチ外でした。まだ小林だったらもう少し抑えることができたのかなぁとも思って試合を見ていました。ただ、ベンチには炭谷銀仁朗もいたわけですから、少し守備を軽視して、打撃重視になっていたのではないかと思ってしまいます。結局シリーズに出場したのは、大城と岸田がメインであり、サブ的な出場で炭谷が出た形となりました。結果論ではありませんが、やはり短期決戦の捕手の重要さを改めて感じた次第です。
日本シリーズ2020のMVPは誰?
今回の日本シリーズ2020のMVPは栗原陵矢でした。優秀賞は、柳田、中村晃、ムーアの3人だったため、残念ながら甲斐が受賞することはなかったのですが、個人的には第2戦、第4戦でホームランも打っており、守備でも大きな貢献をしているんだから甲斐に上げてよ~と思いましたが、過去にMVPを貰っているから全体バランスを考えてのことなんですかね。残念でした。。
しかし、間違いなく2020年のゴールデングラブ賞は受賞するだろうと思っています。今のところ3年連続で受賞していますが、4年連続受賞はほぼ間違いないでしょう。
来シーズンの2021年も、甲斐拓也の活躍が楽しみです!!
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