楽天の歴代ドラフトにおける1位指名選手一覧から見る活躍度の検証
今回は楽天における歴代のドラフト(上位)指名選手について見ていきたいと思います。どのくらいの選手が、一体どのくらいの確率で大成しているのか、チームにどうれくらいの割合で貢献できているのか検証してみたいと思います。
東北楽天ゴールデンイーグルスが設立されたのは2004年。そこから数えて早17年が経過しました。単純にドラフト1位の選手だけを数えても17人いるわけですね。早速見ていきたいと思います。
下記に各年のドラフト1位選手の名前を挙げています。自由獲得枠、高校生ドラフト、大学生・社会人ドラフトなど2007年以前は制度が異なっていたため( )で補足しています。また、1位指名ではないものの、活躍もしくは有名な選手は・・・以下で別途記載しています。
【ドラフト1位指名選手】 ※・・・以下は1位以外で著名な主な選手
2004年 一場靖弘(自由獲得枠)
2005年 片山博視(高校生ドラフト)、松崎慎伸吾(大学生・社会人ドラフト)
2006年 田中将大(高校生ドラフト)、永井怜(大学生・社会人ドラフト)
・・・3位:嶋基宏
2007年 寺田龍平(高校生ドラフト)、長谷部康平(大学生・社会人ドラフト)
2008年 藤原紘通(以降、通常ドラフトへ)
2009年 戸村健次
2010年 塩見貴洋・・・3位:美馬学
2011年 武藤好貴・・・6位:島内宏明
2012年 森雄大・・・2位:則本昂大
2013年 松井裕樹
2014年 安樂智大
2015年 オコエ瑠偉・・・3位:茂木栄五郎
2016年 藤平尚真・・・3位:田中和基
2017年 近藤弘樹
2018年 辰巳涼介・・・2位:太田光
2019年 小深田大翔
ざっと見ていただいていかがでしょうか。お分かりのように、ドラフト1位指名でも圧倒的に活躍したと言える選手は、2006年の田中将大でしょうか。誰も文句が言えないくらいの活躍をしただけでなく、楽天を日本一に導いたわけですから圧倒的な実績ですね!
次にストッパーとして実績を残していると言えるのは2013年の松井裕樹でしょうか。私の個人的な感想では「活躍した」という基準で見ると以上の2人くらいがいいところではないでしょうか。
その他はそこそこ成績を残していたり、著名である選手もいますが1位指名の期待通りとは言い切れない実績かと思っています。
以上からも分かるように確率論で言えば、ドラフトは6年に1回当たればいいという感じですかね。そういった意味では、2019年ドラフトの小深田大翔は、2013年の松井裕樹からちょうど6年経過した年の選手であるため、当たり選手候補と言ってもいいのかもしれません。
現に、今シーズンは1年目にも関わらずセカンド、ショートで規定打席に到達する試合に出場。新人王候補に挙がっている成績を残しています。
2020年シーズン112試合に出場し、打率.288(パ・リーグ6位)、打点31、本塁打3本、盗塁17(パ・リーグ8位)
まだ1シーズン目での活躍なので、大活躍!とまでは言い切れませんが、今後は田中将大、松井裕樹クラスの働きを期待したいところです。
逆に、ドラフト1位指名で鳴り物入りで入団したにも関わらず、イマイチ成長しきれなかった選手、活躍できなかった選手の方が多いのも事実です。
ドラフトとは、あくまでも今後の活躍見込み、成長見込みが高い選手が指名されるものであり、必ずしも上位指名の選手が活躍するという生易しい世界のお話しではありません。上記の一覧から学んだことは、この厳しい世界で生き残っていくためには入ってからが本当の勝負!!ということですね。本当にシビアな世界です。
私がここ数年のドラフトで個人的に期待していた選手は、2014年の安樂智大、2015年のオコエ瑠偉、2016年の藤平尚真です。この辺りの選手の大活躍を期待していたのですが、なかなか厳しい現状です。
1位指名された1、2年は出場機会を与えられる傾向があり、メディアでも多数取り上げられためチヤホヤされがちですが、流行り廃りのサイクルは非常に早く、入団から2、3年後にはまた新たなスター候補がドラフトで続々と入団してくるわけです。
場合によっては、FA移籍やトレード、人的補償などで他球団からどんどん手強いライバルたちが入ってくるわけですから、高卒ルーキーの1位指名であろうと2、3年でレギュラーの座を奪い取り、タイトルを獲得するぐらいの意気込みで臨まないと本当に生き残っていけない世界だなと思います。
特に近年では、ドラフト指名されても結果が出ていなければ、高卒ルーキーと言えども3年で戦力外通告を受けるケースが多くのチームで見受けられます。
ぜひとも、先ほど名前を挙げた3選手、安樂智大、オコエ瑠偉、藤平尚真には来シーズンでの覚醒を期待すると共に、楽天を優勝に導くような活躍を祈念しています。
楽天の歴代ドラフトでの抽選結果はそんなに悪くない?クジ運はいい方?
これまでの楽天の歴代ドラフトの中で、クジ運はどうだったのかを振り返ってみると、そんなに悪くないというのが私の印象です。
やはり一番は、2006年に田中マー君を引き当てたこと。4球団での競合の末に当たりくじを引いたことだけで10年分くらいの運に値するのではないでしょうか。楽天球団史上、最も価値あるドラフト抽選でした。
楽天はその後、運を使い果たした感はなく、翌年2007年の長谷部康平、2013年の松井裕樹、2014年の安樂智大など数々の1位抽選をものにしています。もちろん、その過程では抽選に敗れる年も多々ありましたが、総じて悪くはないクジ運の球団だと思っています。
楽天の歴代ドラフトからみた査定評価では1位より3位指名の選手の方が活躍している?
これまでの楽天のドラフト指名一覧を見ていただくと分かるように、意外と1位指名の選手よりも3位指名の選手が活躍していることが言えると思います。
2010年 塩見貴洋・・・3位:美馬学
2011年 武藤好貴・・・6位:島内宏明
2012年 森雄大・・・2位:則本昂大
2013年 松井裕樹
2014年 安樂智大
2015年 オコエ瑠偉・・・3位:茂木栄五郎
2016年 藤平尚真・・・3位:田中和基
特に2010年の美馬学、2015年の茂木栄五郎、2016年の田中和基などは3位指名の選手ですが、チームの柱となる働きをしています(美馬の場合は、していました:過去形)。
この他にも、2011年の島内宏明、2012年の則本昂大などは1位指名ではなかったにしても、入団後に才能を開花させてプロの世界で活躍している良い例ですね。
何を言いたいかというと、所詮入った順位や肩書なんて関係ないということです。現代ではソフトバンクの千賀滉大や甲斐拓也のように、ドラフト外の育成枠から這い上がって億越えプレーヤーになる選手だって出てきています。
入ってからは皆が同じスタートラインに立って競争が始まるわけですから、例えドラフト1位と言えども実績を残せなければ数年で戦力外にされてしまうわけです。入団当初から覚悟を持って挑まなければならない世界だと思います。
楽天は2020年ドラフトで早稲田大学の早川隆久投手を1位指名、抽選の末に獲得できました。ぜひとも早川隆久投手にも上記のような心構えを持って、1年目のシーズンからエンジン全開で大活躍してもらいたいと思います。
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