中日の福、祖父江、又吉の中継ぎ投手陣の防御率と勝利の方程式
5月末時点でセリーグ4位に低迷している中日ドラゴンズではありますが、チーム防御率は現時点で2.92とセリーグNO.1の成績を誇っています。
そんな中でも私が着目しているのは中継ぎから抑え投手陣の層の厚さです。特に中日ドラゴンズの「勝利の方程式」と呼ばれる福敬登、祖父江大輔、又吉克樹、R.マルティネスの安定感は抜群です。
順番に、現時点における各投手の個人成績を見ていきましょう(5月30日時点)。
・福敬登(ふくひろと)
22試合登板、2勝1敗9ホールド、防御率2.08
中継ぎの貴重な左投手で、2019年からは2年続けて50試合以上に登板する中継ぎ投手陣の柱の一角を担う選手です。今シーズンも既に22試合に登板しており、50試合以上の登板は間違いないでしょう。現時点で9ホールドを上げ、防御率も2点台前半という好成績を残しています。昨シーズンの2020年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得しています。
・祖父江大輔(そふえだいすけ)
22試合登板、0勝2敗5ホールド、5セーブ、防御率3.79
オープンスタンス気味の独特の投球フォームとリズムから投げ込むピッチャーで、福敬登と同じく昨年2020年の最優秀中継ぎ投手のタイトルを同時受賞している投手です。防御率こそ3点台にはなっていますが、安定したピッチングで中日ドラゴンズの試合の中盤から終盤を支える投手です。
・又吉克樹(またよしかつき)
27試合登板、0勝1敗15ホールド、4セーブ、防御率0.71
現在のところ、チーム内でダントツトップの27試合に登板している鉄腕です。マルティネスが不在な中、5月下旬からは守護神・抑えを担っている投手です。中継ぎ、抑えとして27試合に登板していながら、防御率は脅威の0点台を記録しています。変則的なサイドスローからの投球で巧みに打者を抑えるタイプの投手です。
・R.マルティネス
17試合登板、0勝1敗6セーブ、防御率1.08
本来であれば中日ドラゴンズの守護神を担う投手であるのですが、今シーズンはコロナウイルスの影響によりチームへの合流が遅れたことや、5月下旬になってからは母国キューバのオリンピック予選に参加するため戦線から離脱しております。そのため、現時点で17試合の登板に留まっています。それでも防御率1.08の成績は立派なものです。
以上が2021年の中日ドラゴンズの「勝利の方程式」の投手になります。
中日の福、祖父江、又吉など勝利の方程式の他の中継ぎ投手陣について
中日には、上記で挙げた中継ぎ、抑えの投手以外にもたくさん有能な救援投手陣が控えています。今シーズンで言えば、藤嶋健人、谷本圭介、鈴木博志、橋本侑樹などが主に一軍のマウンドで活躍しています。
勝利の方程式に入る投手ほど防御率はよくはありませんが、それぞれ安定したピッチングで中盤以降のゲームメイクに貢献しています。
藤嶋健人は、地元愛知県の出身で東邦高校の出身選手であります。高校時代の甲子園での活躍と、喧嘩投法と言わんばかりの大声をだした気合十分の投球スタイルがとても印象的でした。まさか、プロに入ってここまで活躍すると思っていなかったので嬉しい限りです。
なお、鈴木博志については、昨シーズンから取り組み始めたサイドスローへの転向に活路を見出そうとしています。まだ試行錯誤しているところかと思いますが、新たな成長のステップを重ねていってほしいですね。
【鈴木博志の詳細記事はこちら】
中日のマルティネスが不在でも福、祖父江、又吉、藤嶋、橋本の中継ぎ投手陣が活躍
前述したように、守護神であるR.マルティネスが母国キューバのオリンピック出場予選に参加するため、チームから離団することとなりましたが、代役としては又吉克樹が務めています。ここまで代役というよりも、0点で抑える絶対的守護神の役割を全うしており、完璧と言っていいくらいの成績を収めています。
又吉克樹は、以前にも守護神の経験をしているため、傾向と対策や心構えなども含めて十分に対応できているのだと思います。マルティネスが帰ってきても、守護神は容易く明け渡さないぞという意気込みで結果を残し続けてくれたらと思います。
このように、中日の投手陣は守護神が抜けたとしても厚い選手層でカバーできているため、他球団と比較して見ても救援陣のレベルは高いと思われます。
中日の福、祖父江、藤嶋、又吉の中継ぎ投手陣が上位浮上の鍵を握る?
そんな救援陣の層が厚い投手陣が活躍している中日ドラゴンズではありますが、現在セリーグの順位としては4位に低迷しています。一番の原因は、打撃陣が勢いに乗れていないという点でしょうか。チーム防御率がリーグ1位な反面、チーム打率は2.38とリーグでダントツの最下位になっています。
特にホームランの数が5月30日時点で22本、長打率も.335といずれもリーグ最下位の成績です。4番のビシエドがこれまで7本のホームランを放ってチームを牽引しているものの、他の長距離ヒッターの存在感が非常に薄いため、上位への浮上ができていない印象です。
以前の落合政権下の時の中日のように、守り抜く野球を徹底していく方がスタイルとしては合っているのかもしれませんね。先発投手陣も大野雄大、柳裕也、小笠原慎之介など安定し始めてきているため、十分に守りの野球を実戦していけるものと思います。
【中日の先発ローテーションについてはこちら】
とは言え、一番の強みである中継ぎ、抑え投手陣の力強さは、現在の中日ドラゴンズの屋台骨になっているため、これまで以上に救援投手の活躍が上位浮上のカギになることは間違いないでしょう。これから夏にかけては気温も上がり、選手の体力消耗、疲労の蓄積が増してくる時期となりますが、救援投手には底力を見せつけてもらいたいところですね。
以上、今回は中日ドラゴンズの中継ぎ、抑え投手と「勝利の方程式」についての記事でした。
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