2020年の防御率ランキングと計算式、求め方
今回は、野球のピッチャーの防御率に着目してパリーグのチーム、個人両方の防御率ランキングを見てみたいと思います。そして、防御率の求め方、計算式についても簡単に解説します。2020年今シーズンのパリーグで投手力が高かったチームはどこで、誰が防御率トップだったのか定量的に確認します。
投手力を測るための防御率とは？求め方、計算式は？
防御率＝自責点×９／投球回数
防御率は、対象となる投手が９イニング投げたとしたら何点に抑えられるのかを示すものです。計算式からも分かるように、９イニング平均何点で抑えたかが分かります。
ここでさらに、自責点とは？
※投手自らの責任で取られた点数のことを言います。具体的には、ヒットやフォアボールなど投手が招いた責任で点数を取られた場合のものです。野手のエラーなどでの点数は自責点にはなりません。
野球というスポーツの中で最も試合に大きな影響を与えるポジションがピッチャーです。野球はサッカーやラグビーなど、全体が常に動き回る種目に比べ、静止する場面、割合が比較的高い種目だと思います。
なぜなら、ピッチャーが投げて、バッターが打って、そこから皆が動き出すことがほとんどだからです。バッターが打たなければ、ピッチャー、キャッチャー以外の守っている人は動きません。バッターがボールを見逃した場合は、実質的にピッチャーしか動かないわけですから、やはり投球動作から試合を動かしているという観点でピッチャーが試合に与える影響度は一番高いと言っていいでしょう。
当たり前ですが、いいピッチャーがたくさんいるチームは強くなる確率が高いでしょう。バッターの打率は3割を越えていれば一流と言われるように、打撃、ヒットやホームランを打つ確率は物理的にそれほど高くありません。
打率を4割、5割まで高めようとすることは、ほぼ不可能に近い領域であります。4割バッターなんていう天才中の天才が出てくる確率は極めて低いです。あのイチローですらシーズンを通じて4割の成績を残したことは一度もありません。
そう考えると、投手の防御率は0点台、1点台という成績を残す選手が毎シーズン出てきますので、投手力を上げることがチームを強くする上では、確率が高く、かなり重要ということが言えるのではないでしょうか。
＊投手＞打者が大事と言っているわけではなく、あくまで投手力が高いチームに分があるということです。
防御率ランキング2020年シーズン ～パリーグ～
【チーム編の防御率ランキング】
1位 ソフトバンク 2.92
2位 ロッテ 3.81
3位 オリックス 3.97
ご覧のように、防御率の1、2位チームはペナントレース順位の1、2位と同じ順位でしたね。これは偶然でも何でもなく、やはり防御率の高いチームが強いということの証拠の1つかもしれません。しかし、3位にオリックスが入っていることで、このロジックの完璧さがないことも同時に分かります。なぜならオリックスのチーム成績は今シーズン最下位だからです。守備、攻撃どちらのバランスが大事ということですね。
これらの結果から言えることは、防御率はチームの強さにある程度は影響するが、必ずしもチーム成績に直結するものではないということ。ピッチング・守備以外にも攻撃（打撃・走塁）など、他の重要要素があるため、チーム成績を測るには総合力で判断しなければならないということ。
〇ソフトバンク
それにしても、ソフトバンクのチーム防御率が2点台というのは素晴らしい成績でありますし、やはり投手陣のレベルが高いことに比べ、選手層が厚いからだろうなという感想です。ざっと上げただけでも、千賀、和田、東浜、バンデンハーク、石川、ムーア、二保、高橋礼、モイネロ、森などなど、無限に出てくるのではという印象すら持ってしまいます笑。しかもみんなレベル高いピッチャーばっかり。。このメンバーなら2点台の防御率もうなずけますね。さすがは投手出身の工藤監督だと思います。
〇ロッテ
意外にロッテのチーム防御率が低くてびっくりしました。恐らく今シーズンは、勝利の方程式をある程度固められたことが、防御率ならびにチーム成績が向上した要因の1つではないでしょうか。特に中継ぎから抑え投手が、唐川、ハーマン、益田と安定できたことが土台となり、さらにシーズン後半からは巨人から澤村が加入してさらに厚みが増しました。ここが今シーズンでロッテが躍進したポイントだと思います。
〇オリックス
オリックスは、投手成績がいいんですね。たしかに、山本由伸、山岡、田嶋などいいピッチャーは揃っていますもんね。あとは、野手が揃ってくるといいんですが、全体的に小粒な印象だし、吉田正尚以外はパッとした選手が思いつきませんね。
番外編・歴代でNO.1の防御率、投手力を誇った常勝軍団？
今シーズン&パリーグの話ではなくなりますが、投手王国を築き上げ、低い防御率の常勝軍団を作り上げた監督と言えば、やはり落合博満でしょう。中日の黄金時代を築き、豊富な投手王国を当時の森コーチとともに仕立てた名将です。当時の中日はそれほど攻撃力が強かったわけではなかったのですが、毎回のように優勝して強かった。それもこれも、圧倒的な投手力、低い防御率で失点数の少ない守り抜く野球を実践したからでしょう。
当時は、吉見、浅尾、岩瀬などスター投手がたくさんいましたからね。選手としての落合もすごいですが、改めて監督としての落合もすごかったですね。我らが楽天の監督になってくれないかなと、密かに期待している自分がいるかも笑。
【個人編の防御率ランキング】
1位 千賀滉大（ソフトバンク）2.16
2位 山本由伸（オリックス）2.20
3位 有原 航平（日本ハム）3.46
今年のパリーグでは、防御率1点台の投手はいませんでしたね。逆にセリーグは防御率1点台の投手が3人もいましたので、パリーグは打者有利、もしくは打者強の傾向があるのかもしれませんね。
〇千賀滉大
日本を代表するピッチャーの1人。恐らく東京五輪のメンバーには間違いなく入ってくるでしょう。お化けフォークと言われるとんでもない落差のフォークだけでなく、速球も一級品の投手です。試合を見ていても、千賀が投げていればそんなに点数を取られる感じがしないですもんね。
〇山本由伸
この選手も半端ないですね。2016年のドラフト4位で入団した22歳の投手。このピッチャーもハマったらなかなか打つことはできないでしょうね。160キロ近い速球と切れ味ある変化球を武器に、ここ数年で一気に活躍してきた選手ですね。特に2019年のプレミア12では、中継ぎとして登板し、圧倒的に投球で打者をねじ伏せていたのが印象的でした。恥ずかしながら、それまで山本投手を知らなかったのですが、プレミア12を見た時にとんでもないピッチャーがおると思いました。将来が楽しみな選手の一人です。この選手はメジャーリーグに行っても通用しそうな予感。
〇有原航平
防御率が3点台と、前述の2人よりは若干劣る印象を思ってしまいがちですが、有原も安定した投球でシーズン8勝をあげています。でも、正直言って彼ならもっとやれるんじゃないかと思っているところです。メジャーリーグ挑戦というような報道も飛び交っていますが、どうなるのでしょうか。
来シーズンも楽しみです！！
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