セカンド守備位置、守備範囲から考える守備の上手い人とそのコツ

セカンド守備位置、守備範囲から考える守備の上手い人とそのコツ

今回は、野球の守備範囲を広げるために必要なポイントをお伝えしていきたいと思います。

私は高校時代まで硬式野球部に所属していました。甲子園に出場するような強豪校ではありませんでしたが、それでも部員80名を超えた公立高校でセカンドのレギュラーでした。セカンドのレギュラーと言えば背番号「4」。初めての公式戦の大会前のメンバー発表で監督から名前を読み上げられ、背番号4を渡された時の喜びは忘れられません。

私は慎重168cmと小柄でホームランを打つような長打力があるわけではないのですが、レギュラーを勝ち獲れた一番の要因は守備力にあると思います。当時、自分の一番の強みだと思っていたのは、守備範囲の広さです。さらに具体的に言うと、打球に対する一歩目のスタートと守備位置のポジション取りに長けていたと思います。

 

野球のセカンドの守備範囲が広い守備職人は一歩目のスタートがとにかく速く、守備位置のポジション取りが的確!

プロ野球を見ていても、守備範囲が広い守備職人と呼ばれるような選手は、みんな打球に対する1歩目の反応スピードが速いです。この反応速度0コンマ数秒が、打球に追いつけるか追いつけないかの大きな分かれ目となります。

極端な話、打者のバットにボールが当たって飛んだ方向を確認してから動き出しては遅すぎるのです。そして、守っている守備位置、ポジション取りが上手なのです。「なぜそこにいる~!!」というように、どこに打球が飛んでくるかの仮説検証力が高いからこそできることだと思います。


少年野球、草野球でも使えるセカンドの一歩目のスピードアップ、守備位置の精度を高めるコツとトレーニング方法を公開!

私はセカンド守備でポイントになるのは、まず打球への1歩目のスタートと申し上げましたが、厳密には、反応速度を上げるというよりは、予めどの方向に、どういう打球が飛んでいきそうか狙いを定め、1歩目のスタートを切る準備をするという表現が正しいかもしれません。これは守備位置にも関係することです。

実際に、私が高校時代にやっていたのは、

①バッターの右打ち左打ち

②打者のスイングの仕方

③前打席の飛んだ方向

これら3つを頭の中に入れて、どの方向に打球が飛ぶか仮説を立てながら打者や場面ごとに守備位置を変え、都度一歩目のスタートを切って守っていました。ピッチャーが1球1球ボールを投じる度に、私は一歩目の踏み出しをして、動かしていました。その場に立ったままではなく、1球ごとに反応して体の動きだしを行っていたのです。

守備位置についても、打者や場面が変わる都度でポジショニングを微妙に変えていました。そうすることで、実際に打球が飛んできた時に、ギリギリのところで追いついたり、広い守備範囲で打球をカバーしたりすることができるようになるのです。

ちなみに、プロ野球選手もしくは大学野球や実業団のレベル、高校野球でも甲子園レベルになると、上記①~③の要素に加えて、ピッチャーが投じるコースや球種なども事前に勘案した上でスタートを切るようになります。

私の場合は、ピッチャーのコントロールがそれほど精度が高かったわけではなかったですし、県内の高校野球レベルであれば①~③の要素で十分だと思っていたので、ピッチャーの投げるコースや球種までは見ないで仮説を立てていました。

打球への一歩目の反応のスピードアップと的確な守備位置に守るための効果的なトレーニングとしては、日ごろの練習から打球に対する反応をする練習をすること、そして打球が飛ぶ方向の仮説力を高めるということが鍵になります。


例えば、私の高校では、フリーバッティングを行う時に、野手が各守備位置に守って、打者が打った打球を捕球して守備練習を兼ねていました。その際も、ピッチャーがボールを投じた際に一歩目を右なり左なりに切って打球への反応を高めていました。

各ポジションには、複数の選手が守っており、自分が守る順番ではなく、後ろで待っている際にも一歩目のスタートを切ってトレーニングしていました。

それ以外にも、紅白戦や実践形式のバッティング練習で守備についた時なども同じように1球ごとの反応トレーニングを行っていました。

当然自分がプレーしていない時や、他校同士の試合を見学している時なんかにも、このバッターならどこに打球が飛びそうだな。という仮説を立てながら試合を見ていたものです。

大体、県内レベルの地区予選なんかだと、右打者で引っ張りが多いバッターだと、サード、ショートに打球が飛ぶことがほとんどで、セカンドにくる打球はセンター前、もしくは打ち損じで稀に1、2塁側に来るというようなおおよその確率計算ができます。

この場合は、二遊間よりにポジションを取り、センター前の打球を捕球できるようなポジショニングと一歩目の踏み出し準備を行うのです。こんなことを考えながら、仮説、検証を繰り返して精度を高めていくのです。

このおかげもあってか、一歩目を切る方向の仮説の精度が上がったり、反応速度が上がったりしたと思っています。

 

セカンド守備で次の場面を意識した動きの確認とシミュレーション

セカンドとショートは、野球守備の中で最も複雑な動きをしなければならないポジションだと思います。例えば、バントをされた時の動きはファースト側に打球が転がるか、サード側に打球が転がるかでベースカバーを中心とした動き方が全く変わってきます。

また、ランナーがどこにいるかによっても動きが全然異なるわけです。複雑すぎて、かなりの経験を積んでおかないと正直辛いと思います。また、点差やイニング数、試合展開によっても、どのタイミングの打球なら二塁でのアウトにトライすべきか、もしくは安全圏でファーストでのアウトを優先すべきかなど、その場その場での瞬時の状況判断が求められます。

そのため、私はピッチャーが投球モーションに入る前に、自分のところにいくつかのパターンの打球が飛んできたことを想定し、この打球ならここに投げる、このスピードの打球ならこうするなど、頭の中でいくつかのシミュレーションを走らせながら守っていました。

そのおかげもあってか、自分のところに打球が来て慌てふためくということは一度もありませんでしたし、常に冷静な判断が出来ていたと自分でも思います。

このように、セカンドというポジションの守備は非常に頭を使うところなんだなぁということだけでも、今回分かっていただけると嬉しいです。


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