菊池涼介2020年シーズンに無失策記録、守備率10割でゴールデングラブ賞確定?
広島東洋カープの内野手、菊池涼介が2020年シーズンで無失策、守備率10割※という記録を残しました。守備範囲の広い二塁手としては史上初めてとなるシーズン無失策。これまで守備機会が比較的低く、守備範囲も狭いファーストでの記録はあったようですが、守備機会の多い二塁手での偉業は際立ちますよね。
*守備率とは?
守備に関わった回数のうちエラーしなかった割合を出したもの。
「守備率=(刺殺+補殺)÷守備機会」
菊池涼介の2020年試合数における無失策記録と守備率10割の凄さ
菊池涼介は2020年シーズン120試合のうち103試合に出場して1回もエラーしていないことになります。はっきり言って有り得ない記録ですw。さらに守備機会連続無失策の記録も503まで更新しています。
これは素晴らしい記録であり、私も高校時代までは菊池涼介と同じセカンドのポジションを守っていたため、素人目線ながらにもこのような偉業を実現したことに驚いています。プロの世界でこのような偉業を成し遂げた菊池選手の苦労や大変さは正直、想像もつかないです。きっと本人のツイッターアカウントもお祝いメッセージで賑わっていることでしょうね。
菊池涼介の2016年→2019年までの失策数の推移は4→5→3→10と他の選手と比べて比較的少なかったのですが、それでも今年2020年の失策数が0という数字は際立ってましたね。本人の中で一体どんな進化、どんな気づきがあったのか気になるところです。何かコツを掴んだのか、それともグローブを変えたのかなど関心が高まります。
菊池涼介の経歴と紹介
菊池涼介の経歴と簡単な紹介ですが、所属チームはセリーグの広島東洋カープ。ポジションはセカンド(二塁手)。2020シーズンは打率.271ほどで打順は主に2番でしたが、今シーズンは不振の影響で後半戦からは主に8番を打っていましたね。
2021年のドラフト2位で入団。出身は東京都東大和市ですが、高校は長野県の武蔵工大二高。大学は中京学院大学で活躍して、その後プロ入り。2019年に結婚していて子供もいるようです。2020年に女性とのトラブルが報道されており、相手女性から調停申し立てをされたみたいですが、現在は和解が成立したようです。
こんなトラブルもありましたが、彼は守備力に定評があるスター選手です。個人的に菊池涼介の守備で一番印象に残っているのは、2017年に行われたWBCでのオランダ戦でセンター前に抜けそうなあたりをダイビングキャチしたシーンです。あのスーパーファインプレーは凄かった!
菊池涼介の守備分析から見た特徴(忍者守備)
菊池涼介の守備の一番の特徴は、やはり広い守備範囲でしょう。忍者守備とも呼ばれています。この守備範囲の広さが何から生まれているのかと言えば、私の見立てでは下記3点だと思っています。
①一歩目のスタート、②ポジショニング、③肩の強さ
①一歩目のスタート
彼の広い守備範囲は、持って生まれた反応速度や俊敏性であることは紛れもない事実でしょうが、私はさらに菊池選手の一歩目のスタートの良さが起因していると思います。打球に対しての一歩目の反応とスタートは、ほんの一瞬ではあるのですが、この大事な一瞬が打球に追いつけるか、追いつけないかの差を決定づけます。大げさに聞こえるかもしれませんが、陸上世界のように0コンマ何秒の差が補給できるかエラーになるかの分かれ目になります。
②ポジショニング
次にポジショニングです。ポジショニングとは守っている位置のこと。恐らく菊池選手はバッターごと、いや一球ごとに守っている位置を微妙に変えていると思います。自慢じゃありませんが、私も高校時代はやっていました。バッターのくせや、スイングの軌道、これまで飛んだ打球の方向などから仮説を立てて守る位置を変えるのです。また、ピッチャーが投げるコース、球種をキャッチャーのサインやミットの構えなどから判断し、併せてポジショニングの検討に活用するのです。私のポジショニングは所詮、素人レベルかと思いますが、菊池選手はプロとしてより高度な見立てを立て、綿密かつ精度が高いポジショニング戦略を取っているから、広い守備範囲を実現できているのだと思います。
③肩の強さ
最後に、菊池選手の方の強さです。せっかく際どい打球に追いついて捕球しても、投げる球が遅かったり、ファーストまで届かなかったりすればアウトになりません。菊池涼介はその点、肩が強く二遊間よりの打球を捕球してもファーストまで送球をすることができるためアウトになるのです。
この点は羨ましい限りで、私なんかは守備範囲の広さには自信があったのですが、肩が弱かったためなかなかダブルプレーでアウトを取ることや、二遊間の深い打球をアウトにすることに苦戦をしていました。セカンドは内野手の中でも一番ファーストに近い位置にあるため、サードやショートの選手に比べ、それほど強い肩が求められるポジションではないのが通説です。しかし、菊池涼介は強肩であることで好プレーを実現していらからこそ、高いレベルでの守備力を発揮できているのかもしれません。
菊池涼介の守備の弱点と歴代の名選手との比較
ここまで、菊池涼介の守備のすごさを延々と述べてきたのになんですが、菊池涼介は球界史上で最高の内野手か?と問われた場合、私の正直な答えはNOです!えーーっ!?ここまで褒めちぎってきて何言っているの?と思われたかもしれませんが、私が思っている守備が上手い選手の定義と、菊池涼介のプレースタイルは厳密には一致していないのです。どういうことか具体的に説明します。
まず、私が文句なしで守備が超絶上手いと思っている具体的な選手は以下の2人です。
・藤田一也(楽天イーグルス)
・宮本慎也(元ヤクルト・スワローズ)※引退
個人的な好みも混ざってしまっているかもしれませんが、この2人は本当に別格なんです。じゃ、無失策記録を樹立した菊池涼介とこの2人の違いが何かわかりますか?
ここからは、私の勝手な持論になります。内野手にとって一番難しい打球というのは真正面の低い速いゴロの捕球なんです。センター前に抜けそうな打球をダイビングキャッチすることでもなく、1・2塁間の打球に追いつくファインプレーでもないんです。一見、こういう派手な捕球や好プレーの多い選手が守備の上手い人と思われがちなのですが、実際に守っていて一番難しいのは普通のゴロなんです。
これまで、菊池涼介の複数回のエラーシーンを見てきましたが、やはり正面のゴロのさばき方や打球へのアプローチの仕方を見ていると、藤田、宮本にはまだ及ばないなというのが私個人の見解です。
ただ、記録上はこの2人のレジェンドたちも成し得なかったシーズン0失策という偉業を菊池涼介は成し遂げたわけですから、それは素直に認めなければならないですし、見方によっては菊池涼介の方が上という人もいることでしょう。要は、守備が上手いといっても、具体的に何に焦点を当てるのかによって見方が変わってくるということだけご理解いただければと思います。
菊池涼介の通算成績と年俸推移
菊池涼介のここまでの通算成績は、打率.271、1219安打、本塁打95本。1軍で試合に出始めた時は、守備の人という印象でしたが、近年はバッティングの方も改善されてきており、攻撃に対してもいい印象を持ち始めていました。(今シーズンは不振に苦しんでしまいましたが。。)
それに伴い、年俸も上昇の一途を辿っています。
2017年:1億4500万円
2018年:1億9000万円
2019年:2億4000万円
2020年:3億円
億越えプレーヤーになってからは、まぁ順調なペースで年俸が上がってきていますね。特に広島カープは、2016年、2017年、2018年の3年間は緒方監督の元、3度の優勝を果たした黄金期でした。だいぶ前のことのように思ってしまいますが、ほんとつい最近の出来事なんですね。
菊池涼介2019年にポスティングシステムを利用してメジャーリーグ移籍を試みたが断念
2019年のオフシーズンに、菊池涼介はポスティングシステムを使ってメジャーリーグへの移籍を試みました。広島カープは、菊池のポスティングシステム利用を容認し、菊池自身はメジャーリーグ球団からのオファーを待っていましたが、結果として年末になってもオファーが1件も正式オファーが届かなかったことから、翌シーズンへの影響等も考慮してメジャー移籍は断念し、広島カープへの残留を決定したのです。私としては、菊池の英断だったと思います。
2020年の年俸が3億円の大台に乗ったのは、本人の実績はもちろんですが、この移籍騒動による要因も含まれているはずです。黒田のメジャーリーグからの日本球界復帰や、当時阪神にFA移籍した新井の再度の受け入れなど、広島東洋カープという球団は本当に素敵だなぁと心から思っています。(その割に、大物選手が次から次へと金満球団へ移籍してしまう現実が悲しい限りです。)
2020年のゴールデングラブ賞も菊池涼介で確定!?
最後のまとめとなりますが、2020年シーズンで無失策記録を樹立した菊池涼介でありますから、当然セリーグの二塁手ゴールデングラブ賞は、広島の菊池涼介で99%確定で間違いないことでしょう。ゴールデングラブ賞の発表を楽しみにしつつ、2021年シーズンの菊池涼介のさらなる活躍を期待しております。
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