球団年俸ランキング(2020年)と実際の順位を比較【パリーグ編】

球団年俸ランキング(2020年)と実際の順位を比較【パリーグ編】

今回は、前回に引き続き日本プロ野球の各チームが選手に支払った合計年俸額のランキングと、ペナントレースでの実際の順位を比較してみて、コストパフォーマンスが良かった球団はどこだったのか、逆にコスパが悪かった球団はどこだったのかを比較検証してみました。

今回はパリーグについての情報です。下記表の左側に合計年俸額の順位を記載、右側に実際のペナントレースでの実際の順位を記載してみました。

 

(単位:万円) ※金額はいずれも推定額

年俸総額
順位
合計年俸球団名実際の
順位
コスパ
1位420,744ソフトバンク1位
2位311,088楽天4位×
3位238,341西武3位
4位235,474日本ハム5位×
5位191,198ロッテ2位
6位182,297オリックス6位

 

【コスパ凡例】

〇:年俸額順位>実際の順位

△:年俸額順位=実際の順位

×:年俸額順位<実際の順位


 

年俸総額ランキング1位(2020年):ソフトバンク△

ソフトバンクは今や日本球界一の金満球団とり、もちろん実力も球界NO.1となり2017年から4年連続で日本シリーズを制し、日本一に輝いているチームです。年俸合計給額に見合った実績を残しているチームですので良しとしてよいかもしれません。

年俸総額に見合った強大な戦力を誇るチームであり、レギュラーの中で誰か一人がケガをしてもビクともしない選手層の厚さがあります。控えで出てくる選手が全て、他球団に行けば即レギュラーになるような逸材がズラリと並んでいます。

特に驚くのがピッチャー陣です。日本シリーズを見ていても先発、中継ぎ、抑えと出てくるピッチャー全てが球速150キロ以上の投手であることに衝撃を受けました。ソフトバンクでは2軍でも150キロを投げるピッチャーがゴロゴロいるようですので、恐ろしい選手層の厚さです。

ソフトバンクの良い点としては、ほとんどの選手が生え抜きであり、中には育成枠から這い上がってきている選手が多いという点です。FA移籍で加入してきた選手の方が少数である点がセリーグ覇者の巨人との大きな違いでしょうか。

何を言いたいかと言うと、ソフトバンクはチーム内の選手の成長モチベーションをきちんと保てているということです。

巨人のように、せっかく若手が頑張ってレギュラーを目指しても、すぐにFA移籍でスター選手をコロコロ集められ、レギュラー定着の機会を摘み取られてしまうと若手のモチベーションは低下すると思います。

逆にソフトバンクは、千賀滉大や甲斐拓也、周東佑京のように育成枠から支配下登録選手枠を勝ち取り、そこからレギュラーの座を勝ち得た選手が多数います。厳しい競争の中にも、若手にとっては自分たちも頑張ればああいう風に活躍できるチャンスがある!と高いモチベーションを保つことができます。チーム内から次なるスターが出てくる好循環が生まれていると思います。

2020年のソフトバンクのレギュラーメンバーを見ても、外国人選手を除けばFA移籍で加入してきた選手は一人も見当たりません。それだけ、生え抜きの選手の育成に力を入れており、かつ実績があるチームだと思います。

毎年優勝しているので結果的に総年俸額は高くなっていますが、非常に戦略的なチームマネジメントをできていることがソフトバンクの強さの源ではないかと思います。


 

年俸総額ランキング2位(2020年):楽天×

年俸総額2位は我らが楽天でした。やはり楽天も金満球団と言われても仕方がないくらい年俸総額は高いチームなんですね。2020年シーズンでの実際の順位は4位でしたので、コスパという観点では最悪でした。

楽天の場合は、生え抜きの選手もチラホラいますが、主力選手の多くがFA移籍で球団から来ている状態です。そのため、年俸総額も吊り上がってしまっているのではないかと思います。

例えば、セカンドの浅村栄斗、サードの鈴木大地、ピッチャーの岸孝之などは西武、ロッテから獲得してきた選手であるため、パリーグのファンの中では時にヤジられるネタになっています。

何より昨年までゼネラルマネージャーに就任していた石井一久がヤクルト、西武の出身であり、2021年からは監督として就任することが決まっています。

完全に外様監督ですね。どういう縁から楽天のチーム編成を指揮するようになったかは定かではありませんが、強くなるためには生え抜きだけに頼らないというスタイルでそろそろ結果を残さなければならない時が来たように思います。

来年こそは年俸総額に見合った結果を残してもらい、石井一久体制下での飛躍を期待したいと思います。


 

年俸総額ランキング3位(2020年):西武△

西武は年俸総額と2020年の実際の順位が一致しており、お金をかけた通りの実績であったチームです。2018年、2019年と続けてリーグ制覇を成し遂げてきていましたが、2020年は力及ばず3位となってしまいました。

打力のチームであるため、安定感という観点では3年連続優勝は厳しいとは思っていましたが、それでも最後は3位フィニッシュで上手くまとめてくる強さあるチームです。

山川穂高、森友哉、源田壮亮、栗山巧、中村剛也などトップ選手が並んでいるため年俸がリーグ3位というのは必然かと思います。あとは、もっと投手力にお金を使って防御率を上げていければさらに強さと安定感が増してくるチームだと思います。現時点でもコスパは悪くないチームです。


 

年俸総額ランキング4位(2020年):日本ハム△

日本ハムは2020年シーズン低迷して5位だったため、コスパは悪いと言わざるを得ません。若手を育てて活躍させていくというチーム方針であるため、年俸総額が4位というのは頷けます。

その反面、戦力が整う時期にムラが出てきてしまうため、毎年安定して優勝することは厳しいチームなのかもしれません。その割り切りが球団としてできているのであれば良いと思いますが、個人的には勝ちにいくことと育成しにいくことが今年は特に中途半端になってしまっている印象を受けます。


 

年俸総額ランキング5位(2020年):ロッテ◎

2020年今シーズンのロッテは日本球界の中で最も飛躍したチームと言っても過言ではありません。まさか2位になるなんて予想していませんでしたし、後半にチームの中でコロナウイルスに感染した選手が出てきて失速してしまいましたが、その前までの勢いだけで見ればソフトバンクを倒して優勝してしまうのではないかと思うほど強かったです。

しかも、ちゃんと若手の育成を行いながらチームマネジメントしているため、改めて井口監督の手腕に驚かされました。シーズンを通じて4番に安田尚憲をメインに据えたことや、藤原恭大の起用など中長期の戦力を見据えながら足元の成績も残したシーズンであったためお見事でした。

若手を積極起用していることもあり、総年俸総額は5位ながら実際の順位は2位という、まさに言うことなしのコストパフォーマンスでした。(ちなみに英語ではPrice for valueと言います。)来シーズンの成績が非常に楽しみなチームです。


 

年俸総額ランキング6位(2020年):オリックス△

年俸総額と2020年シーズンの順位が共に最下位だったのがオリックスです。オリックスはもっとお金を使っているイメージのある球団だったのですが、意外にパリーグの中で一番総年俸額が低いチームだったんですね。

コスパという観点で言えば△ですが、どちらも最下位というのは頂けない結果ですかね。匙を投げたチームであればいいのかもしれませんが、そんなチームは1つもないはずです。

正直、現在のオリックスでスター選手と言えるのは吉田正尚くらいかと思われます。オリックスは実績経験が不足している小粒な選手が多い印象が強いので、もう少しお金をかけてでも戦力を補強する必要があるのかもしれません。

 

以上、球団ごとの年俸総額から見た2020年パリーグ順位の考察でした。


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